日常

「ある日の旅」

20代から30代にかけて、プロレス、格闘技観戦によく出掛けた。
東京が多かったが、名古屋、大阪にも足を延ばした。
ある夏の土曜日、鈍行列車で5時間かけて静岡から大阪までプロレスを見に行った。
今では新幹線しか使わない男が、その当時は冒険心もあったのだろう、のんびりと時刻表を見ながら列車を乗り継ぐ旅をした。
大阪に宿泊する予定は無かった為、観戦後すぐに帰宅の途についた。
性格的にきっちり予定を立てる方ではない為、帰りの列車は行き当たりばったりだった。
大阪駅を出て列車を乗り継いでいく途中で、帰れそうにないことが分かりソワソワしだす。そして豊橋駅で深夜に足止め。静岡に帰れなかった。
豊橋駅に着いてから宿を探そうとしたが、あきらめて駅の構内で一夜を過ごすことにした。
公衆電話で家に電話し、帰れない連絡をしたら母に怒られた。
当時は携帯電話もスマホも無く、プロレス会場で買ったパンフレットを見て時間を潰し、一睡もすることなく過ごした。
当日は帰り際、プロレス会場を出たあたりから雨が降り、夏だというのに少し寒かった。
翌朝、始発で静岡に向かい、ようやく家にたどり着いた。
帰ってきて待っていたのは、あったかいお風呂とあったかいお布団だった。
そして母の手料理を食べながら、親のありがたみを感じ、その日一日を幸せに過ごした。

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kazuhiro

静岡市 | 1971年生まれ | 個人ブログです。 日々の日常を更新します。 プロフィール画像は静岡市葵区「駿府城公園」から見上げた青空です。

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