中学校時代に親の勧めで、ある塾に通っていた。
いわゆる名前の知れた、大勢がいる教室で行うような塾ではなく、1対1で習う家庭教師の塾版のようなスタイルだった。
毎週日曜日の午後、英語と数学を各1時間、それぞれの担当の女性教師から教わっていた。
内心はあまり気が進まずに通っていたのだが、両親には気持ちを言えずにいた。
せっかくのお休みの日曜日、よく遊びもせず、文句も言わずに毎週通っていたと思う。
2年近く、高校受験が近づく頃まで通ったのだが、思うように成績は伸びなかった。
気も進まずに思い入れも無く通っていたのだから、それは当然のことだった。
親は見かねて、通うのを辞めさせて新たな塾を勧めてきた。現状にこだわりが無かった僕は、あっさりそれを受け入れた。
新たな塾は5、6人の生徒が教室で先生の授業を聴くという、いわゆる学校スタイルだった。短期間ながらその塾に通った。
今にして思えば、最初の塾で担当してくれた2人の女性教師の方は僕に対して一生懸命でいてくれたはずだ。
高校受験が近づいてきた頃、帰り際に初めて僕を職員室に招き入れて、お菓子をご馳走になりながら「受験もうすぐだね。頑張ろうね。」という話をしてくれた。それまで一切授業以外の話はしたことが無かったので、意外な面を見れてとても嬉しかった。
2人からしてみれば僕が急に辞めてしまったのは悔しい思いだったに違いなく、今思い出しても心が痛い。
高校受験は合格出来たのだが、新たな塾が良かったのか、最初の塾での積み重ねによる結果なのかはわからない。
ただ、やっぱり最初の塾に通い続けて、2人の教師と合格のゴールを迎えるのが一番良かった。
「本意じゃない」