「桜が綺麗だな」とか「新緑の季節だな」とか、目や肌で季節感や生活感を感じながら日常を過ごすってごく自然なことだと思うが、昔はこんなことに本当に無頓着だった。
高校を卒業して印刷会社で働いていた20代、当時は残業が当たり前の時代で、何故かそれを苦痛と感じなかった。会社の居心地の良さもあったが、若くて体力があったのと仕事に対してそれなりに充実感を得られていたんだろうと思う。
平日は午前8時ごろ出社して午後10時ごろ退勤。週休2日が当たり前じゃない時代だったから、土曜日も月3くらい出社して午後8時ごろまで会社に居た。
家と会社の往復のみだから、仕事のあとの付き合いも無いし、友達との付き合いもほぼ無かった。
土曜日の夜は撮り溜めていたVHSのビデオを観て、日曜日はお昼近くに起きる。
日曜日の午後は外にも出ず、家で雑誌を読んだりCDを聴いたり、ビデオテープやカセットテープのラベルのレタリングをしたりする。
予定のない日曜日はだいたいそんな感じだった。
そんな20代を過ごし、28歳の時に社会人として別の世界を見てみたくなり会社を退職した。定職に付かない日々が1年半くらい続いたが、その間、革靴にスーツ中心だった日常が、スニーカーにジーンズ中心に変わる。スニーカーで歩くことに快適さを感じ、外に出て行って季節の変わり目を感じる様になり、何ヶ月かして気になっていた足の巻き爪が治った時、「ああ、いい生活してるな!」と思えた。
「自然に生きたい」