休日は割とよく本屋さんへ出向き、気になっている本はチェックする。
「積読」という言葉があるように、買っておいて安心だけして読んでいない本も多々ある。
小学生の時は漫画にはまり、親も漫画に関してはとても寛容だった。
特に父は「漫画は人生の教科書」が持論で、僕にもよく勧めてきた。
弟が一時入院をしてお見舞いに行った時に、父が病院の待合室にあった1つの漫画にはまった。父が人目もはばからず涙を流してまで感動した漫画が「がんばれ元気」だった。
ボクシングが題材になっており、心に響くのは数々の人間ドラマで、父に勧められて僕もがっつりはまった。
「あしたのジョー」と決定的に違うと思ったのが、ジョーが不良少年だったのに対し元気は真面目な優等生だったことで、ジョーの暗さよりも元気の明るさの方が僕から見たら入りやすく、とても感情移入が出来た。
内容は出会いから別れ、家族、友達、青春、教育、恋、死、因縁、裏切りなど様々なテーマがあり、印象としてはとても重い。だがその分、がっつりと物語に入り込める。
少年時代に元気が目標としていたことを最後は達成するものの、決して僕が望むようなハッピーエンドにはなっておらず、続きを想像させ、その後を見たくなる。
僕が社会人になった頃に「元気が出るテレビ」の「ボクシング予備校」という企画の中で、のちに世界チャンピオンにまで昇りつめた「飯田覚士」が「がんばれ元気」に影響を受けたというのを見て、影響を受けたのは「あしたのジョー」って言わない人が出てきたと思って嬉しくなった。
漫画本に限らず、本は電子書籍ではなく手にとって、紙の温もりや匂いをを感じながら1ページずつめくって読みたいと思う。
本屋さんに行くという行為は今だにワクワクするし、思い掛けずに名作に出会えるかもしれないと思うと、これからも楽しみに過ごしていける。